
皆様は「
ワックス」といって何を想像されるでしょうか?
車の? スキーの? お掃除の?
僕が言う「ワックス」とは彫金に欠かせない(原型制作)道具です。
この青いワックスをいろんな形に彫りこんで鋳造するわけです。
写真の指輪の模様も針を使って地道に彫り込んでいくわけです。
どのように彫るのかは(前回のブログ参照)写真でお伝えしましたが、
今回はそのワックスをUPしてみようと思います。

般若のオーダーです。
顔の大きさ、バランスを慎重に吟味したのち、「えい!」と一気に彫り込んで行きます。
この時点では猪木さんみたいですが、

口をつけるとあら不思議!・・・・・・・まだ猪木です。というかより猪木です。

だいぶ般若になってきたんですが、何かが足りない・・・・・
「角」だ! そう思った僕は、どういう角がいいだろう?といろいろ試行錯誤してみました。

だめもとであてがってみます。
「うーん違う」 「でかすぎる」 「ほかに角はないか」いろいろ探してみましたが、
角はそうそうどこにでもあるものではありませんので、結局普通に角つけてみます。

ぐっと般若になりました! あとは耳をつけるだけ。
「ワックス」という素材は付け足したり溶かして盛ったりといった細工も可能です。
考えた人偉い!!

「完成」
あとはこのワックスを石膏に埋没して焼成(中のワックスを溶かして「脱ロウ」して地金を流す)
キャストして、仕上げの研磨でございます。
般若のタイピンオーダー ¥29400(税と僕の愛込み)です。
世の中の総ての
アクセサリーは、職人さんが一生懸命心を込めて作っているので
あります。
だから皆さんもお店で見かけたアクセサリーを眺める時はほんの少しでも
「苦労して作っている」職人がいるということを、アタマの片隅で思い出してください。
きっともっとアクセサリーが素敵な友になるはずです。
そして永く大切にそばにおいてあげてください。
よくお客さんに「素敵な指輪ですね!ちょっと見せてもらえませんか?」
といったら、「安物なんで、・・・」と言われることがあります。
値段は関係ないと思います。 安かろうが高かろうが、自分が気に入って身につける
モノが世界で一番素敵な 自分にぴったりのアクセサリーだと思います。
僕はバイクがハーレーじゃないので、ハーレー乗りの人に「バイク何乗ってんの?」と
聞かれて、「ハーレーじゃないもんで・・・・」ともじもじしてると、その方は言いました。
「何に乗っていようが、胸張って乗らないと、バイクに失礼だぞ。」
素敵な台風の夜でした。(美唄のバイブスミーティングにて)
バイクもアクセサリーも同じだと思います。
それに乗る人間(着ける人間)がそれを価値あるモノにするんだと思います。